せっしょんのこと。

アイリッシュ音楽と日々のこと。Irish Accordion Player 町田佳菜子のブログ

卒業論文を読み返す。その5

その5!(=゚ω゚)ノ

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現地の人から聞いた話として、「アイルランドではバスキングに関する規制は一切なく」と書いていますが、実際は規制があります。
今年2020年からは、Galwayでの規制は強化され、以下のようになっています。

・16歳以下の者は、保護者の監督のもとでのみバスキング可。
・バスキング許可時間帯:4月~10月 午前10時~午後11時
            11月~3月 午前10時~午後10時
銅像パフォーマンス、絵描き、バルーン等はこのルールから除外)
・ひとつのスポット(場所)でのパフォーマンスは2時間まで。
 2時間経ったら、そのスポットから35m以上離れた場所で再開可。
パフォーマーは、パフォーマンスへの報酬金額を指定し、示してはいけない。
(金銭を得るのは、あくまでも通行人からの贈り物、寄付として、ということ)
パフォーマーは、人々に危害や苦痛等を与えるようなことを、言ったり表現してはいけない。
・人々の通行の妨げになるようなパフォーマンスはしてはいけない。
 観客が人々の通行の妨げになっている場合、直ちにパフォーマンスを終了しなければならない。
パフォーマーは、スポットを予約することはできない。
・いわゆるGalwayのショッピングストリートでのサークルアクトは、午後6時まで禁止。
 ※サークルアクト:広いスペースを必要とし、通行人が立ち止まって見る=他の人の通行の妨げになってしまうようなパフォーマンス。ストリートシアター、パペット、ダンス、コメディ、ジャグリング、火を使ったパフォーマンスやアクロバティックなパフォーマンス等通行人に危険が及ぶようなもの。
・いわゆるGalwayのショッピングストリートでの、アンプ(マイクやバッキングトラック)の使用は、午後6時まで禁止。
・いわゆるGalwayのショッピングストリートでの、ドラムキットの使用は禁止。
・違反した場合、75ユーロの罰金。
(28日以内に支払わなければ、150ユーロに値上がり。それも28日以内に払わなければ、裁判になり1500ユーロの罰金が科せられるそう!ぎゃー!)

ざっくりと、こんな感じ。

2019年までも、規制はあったみたいです。
でも、古い規制も新しい規制も在って無いようなもので、罰金払ったという話も聞いたことがないし、役所の人や警察に止められたという話も聞いたことがありません。

2020年になって、18時までアンプの使用が禁止になりました。
最初の1週間ほどはアンプを使ってるバスカーを見ませんでしたが、その後ちらほら出てきて、このロックダウンになる前は以前と変わらず、マイクを使用したシンガーたちがバスキングやってます。そしてたぶん誰も止められてない・・・

この前CCEのワークショップをやったときにバスキングの話も少ししたんですが、「ドラム禁止ということですが、バウロンはどうなんでしょう?」という質問がありました。
バウロンってそんなに音が大きい楽器ではないと思うので(叩き方にもよるかもしれませんが)、たぶん大丈夫なんじゃないかなぁと思います。確信はないです。
最近、ボーンズをやる人に「一緒に弾いていいか?」と聞かれて、数セット一緒にやったんですが、これもう本当にうるさかったです(笑)
結構前にはカホンをやる人に「数曲一緒に!」と言われてやったんですが、これも「あぁ苦情くるわー(;´∀`)」という音量でした・・・。
なので、”ドラムキット”だけ禁止にしてもあまり意味がないような(´・ω・`)

アンプの使用禁止も、言いたいことはわかるのだけど、そこじゃないよとつっこまれてるんですよね。
アンプ使ってる=大音量で迷惑!、というわけではないんです、実際は。アンプ使わなくても、大きい音が出る楽器はありますし。。。
フィンガーピッキングで弾くからアンプ使ってるギター弾きはNGで、例えばバグパイプが2人で演奏してても、規制上は問題ないことになります。
でもまぁ、「このくらいの音量ならいいけど、これ以上はダメだよ」というのも明記しにくいですよね。人によって感覚違うでしょうし。


アンプ使ってる歌い手さんに関しては、去年までと大して変わらない印象ですが、サークルアクトと分類されたバスカーは、完全に見なくなりました。
BGM流してシャンノース踊ってた人や、サーカスっぽいことしてた人たち。全然見ないです。
彼らは、ショッピングストリートでのパフォーマンスがダメなだけで、Spanish ArchやEyre Squareといった広場みたいなところでは昼間もバスキング可能です。けど、やってないっぽいんだよなぁ。
もしかしたら、コロナの影響もあるのかもしれないけれど。


「ひとつのスポットでは2時間まで、2時間経ったら35m以上離れたところに移動してね」というルールも、誰が35m測るの?って感じですよね(笑)そして、2時間以上同じスポットでやってるバスカーもいます。そして何も言われてない(笑)


スポットの予約というのは、誰かが既にバスキングをしているところに「私12時からここでバスキングする予定だったから退いてくれる?」ということはできない、ってことだと思います。予約表なんてないですし、そもそもスポットも決められたものではありません。皆がやってる”定番スポット”はあるけど、どこでやったっていいんです。

でも、バスキングやってる人に「何時に終わる?そのあとここのスポット空いてる?」という感じで場所を押さえることは可能です。
私はいつもバスで帰宅するので、「〇時には戻ってきてね、私バスに乗らないといけないから」って言ってます。指定の時間に戻ってこなくて、私がその場を離れた後に他のバスカーに場所を取られても文句は言えません。
でも戻ってこないのって結構迷惑で、その人の後に「君の後誰か来る?」って聞いてきた人もいたりするのに「来んのかーい!!!」ってなります。「他の人に”空いてるよ”って言えたのによー!」ってなります。


うん、バスキングの規制、一応あるよ。っていうお話でした。


さぁ、次は第三章かな!
では~(=゚ω゚)ノ